第11章 彼女はこのまま行ってしまった?

十数分が過ぎた。

空になった弁当箱が「ガタン」と音を立て、橘元太の手からゴミ箱へ放り込まれる。

橘結衣は、まだ飯を持ってこない。

橘元太は数秒じっとしたまま座り、それから腰を上げた。

橘結衣が嫌いだ。だが、飯を届ける途中で忽然と姿を消したとなれば、知らん顔もできない。

連絡しようとも思った。けれど、これまで一度も自分から橘結衣にメッセージを送ったことがない。今さらそんな真似、格好がつかない。

結局、橘元太は病院の1階ロビーへ向かった。

一目で見つけた。

隅の椅子にふんぞり返って足を組み、でかいミネラルウォーターのボトルを抱えて「ごくごく」と飲んでいる。飲み干すと腹をさすりなが...

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